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執筆者の写真Cecie Okuhara

SCREEN1/ 「ニュー・シネマ・パラダイス」 原題:Nuovo Cinema Paradiso 1988年公開


「中年男性が映画に魅せられた少年時代と青年時代の恋愛を回想する物語。感傷と郷愁、映画への愛情が描かれた作品である。後述の劇場公開版が国外において好評を博し、しばらく停滞期に入っていたイタリア映画の復活を、内外一般に印象付ける作品となった。(wikipediaより)」


物語は古い親友アルフレードの死を知ったサルバトーレ(トト)の回想から始まる。 映画好きのトト(少年期)は、小さな村の唯一の娯楽・映画館「パラダイス座」の本来関係者以外立ち入り禁止である映写室にあしげく通い、映写室で映写技師の仕事をしているアルフレードに悪戯をし親睦を深めていた。

ある晩、「パラダイス座」に大きな事故が起こるが、間一髪助けに入ったトトにアルフレードは命を救われる。その出来事を機にトトとアルフレードは年齢差を気にすることのない親友となった。事故によって崩壊した「パラダイス座」は出資者の手により「新パラダイス座」に生まれ変わり映画しか娯楽のない小さな村にとっては喜ばしいことではあったが、アルフレードは命こそ助かったものの、事故により失明していた。失明したアルフレードでは仕事を続行する事が出来ず、その代わりにまだ子供であったトトが「新パラダイス座」の映写技師を受け継ぐのだった。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 映画好きには金字塔、映画に詳しくなくてもタイトルや老人が子供を自転車に乗せて走っているポスターの絵柄なら見た事があるかもしれません。サルバトーレの少年期、青年期、中年期をとても丁寧に描いた作品で「完全版」はそれぞれの時期をほぼ1時間使って描いた約3時間の長い作品です。トトとアルフレードの世代を超えた友情の物語でもあり、青年期に登場するエレナという美しい女性との恋愛を描いたラブストーリーでもあります。 また長い上映時間は、中年期のトトがアルフレードの葬式の為30年ぶりに帰ってきた故郷の、閉館してしまった「新パラダイス座」で過去を振り返る際のノスタルジーに共感するに十分な記憶を視聴者にも与え感情を置いてけぼりにされることもないでしょう。

当館の第一回目にご紹介する作品として最もふさわしい映画です。

記念すべき時にこの作品をご紹介できてとても幸福に感じております。


イラストレーション:奥原世詩絵 ARTIST/CECIE OKUHARA

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